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電子的監査証拠

こんにちは、NC大西です。

このコラムも今回で99回目です。
99回目を記念して、本日はマイナーな書籍をご紹介いたします。


電子的監査証拠電子的監査証拠
(2007/12)
カナダ勅許会計士協会

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カナダ勅許会計士協会(CICA)著というのがまたマニアック(^0^)
日本公認会計士協会より2007年末に翻訳されたものが刊行されたのですが、原著は2003年に公表されているようです。

新起草方針に基づく改正版の監査基準委員会報告書第46号「監査証拠」において、監査証拠は次のように定義されています。

「監査証拠」-監査人が意見表明の基礎となる個々の結論を導くために利用する情報をいう。監査証拠は、財務諸表の基礎となる会計記録に含まれる情報及びその他の情報からなる(第4項第3号)。

財務諸表はICTに依存した情報システムに基づいて作成されるので、デジタル形式の情報も当然に監査証拠に含まれると思われますが、46号は電子的監査証拠が定義されていません。また、これに関して解説する本がほとんど見受けられません(マイナーすぎて売れないからでしょうけど・・・)。

本書はそんな中、一般にリリースされている唯一無二の解説書といえると思います(たぶん・・・)。

一般に公認会計士は文系人間が多いので、ITと聞くと、それは社内の専門家に・・・なんてなるのですが、今後はそんなこともいってられません。
IFRSが導入と同時に、おそらく国際監査基準(ISA)も適用されると思われますので、その要求事項を達成しないと注意義務違反を問われる、かも知れない・・・

46号においては、「監査人は、監査手続きを立案する場合には、監査証拠として利用する情報の適合性と信頼性を検討しなければならない(第6項)」と定めていますが、電子的監査証拠に関してその信頼性を担保するためにはどのようなことが要求されるかは記載されていません。

「どないするねん!」とお思いの方は、本書の第2章第35項以降を読みましょう。4つの信頼性規準とその他の留意事項が示されているので参考になります。4つの規準とは次のとおりです。

・ 認証
情報を作成した人又は企業の識別を確認できる。
・ インテグリティ
情報の完全性、正確性、現在の性質及び有効性。インテグリティは、情報が有効であり、それが作成、処理、送信、保持され、長期保存された場合、意図的又は偶然に変更又は破壊されなかったという保証である。
・ 承認
情報は、権限を与えられた人又は責任を与えられた人によって準備、処理、改正、訂正、送信、受信、アクセスされている。
・ 否認防止
情報を送信するか、受信した関係者、人、又は企業は、情報の交換に加わったことや情報の内容を拒否することができない。電子情報の基点、受領、又は内容に対する反論できない証拠があるかどうかに応じて、基点、受領、又はその内容のそれぞれについて否認防止がある。

大変ですね・・・

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株式会社NEXT CENTURY






新起草方針に基づく改正版の監査基準委員会報告書・品質管理基準委員会報告書

先日、21本の新起草方針に基づく改正版の監査基準委員会報告書について、コラムを書きました。
新起草方針に基づく改正版の監査基準委員会報告書

2009年3月に、国際会計士連盟の国際監査・保証基準審議会が行うクラリティ・プロジェクトが完了し、クラリティ版の国際監査基準36本と国際品質管理基準1本の合計37本に合わせて、新起草方針に基づく改正版の監査基準委員会報告書36本および品質管理基準委員会報告書1本が順次リリースされていくことになっており、先にご紹介したものは、この36本の内の21本という位置付けな訳です。

残りは監査基準委員会報告書15本、品質管理基準委員会報告書1本ということになっていたのですが、1月21日に監査基準委員会報告書7本と品質管理基準委員会報告書1本の公開草案が、それぞれリリースされています。
JICPA 専門情報2011

続々とリリースされて、残りは監査基準委員会報告書の8本になりました。

会計監査を生業とする公認会計士・監査法人にとっては脅威(になるかも知れない・・・)新起草方針に基づく改正版の監査基準委員会報告書等(笑)

気になる発行および適用の時期ですが、同日公表されている「監査基準委員会報告書の新起草方針の概要」によりますと、3つのカテゴリーに分けられるようです。

・ カテゴリーA(201年3月に改訂された監査基準に関連する報告書)
 後発事象
 財務諸表に対する意見の形成と監査報告
 独立監査人の監査報告における除外事項付意見
 独立監査人の監査報告における強調事項区分とその他の事項区分
 過年度の比較情報-対応数値と比較財務諸表
 監査した財務諸表が含まれる開示書類におけるその他の記載内容に関連する監査人の責任
⇒2012年3月決算に係る監査より適用

・ カテゴリーB(カテゴリーAおよびC以外の報告書)
⇒2013年3月決算に係る監査より適用

・ カテゴリーC(特別目的の財務諸表などの監査に関連する報告書)
 特別目的の枠組みに従って作成された財務諸表に対する監査
 単独財務諸表、財務諸表の特定の要素、科目又は項目に対する監査
 要約財務諸表に関する報告業務
⇒適用時期未定

新起草方針に基づく改正版の監査基準委員会報告書の発行および適用時期を段階的に行う理由は、カテゴリーAに属する報告書は、改訂監査基準と比較情報の導入時期に合わせて適用する必要がある一方で、カテゴリーBに属する監査の計画および実施に係る報告書を実務に適用するには、一定の周知・準備期間が必要と考えられるため、だそうです。

ここでも記載されているように、「実務に適用するには、一定の周知・準備期間が必要と考えられる」とあります・・・

大手監査法人は自身の監査マニュアル等で対応済みだと思うのですが(ただ、実務で適切に運用されているかどうかは?)、中小監査法人や個人の公認会計士は殆ど対応できていないと思われます。

会計基準の国際化と合わせて、監査基準の国際化もひたひたと足音を立てて忍び寄ってきています。。。

なんでやばいか、についてはまたコラムでアップしていきたいと思います。

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新起草方針に基づく改正版の監査基準委員会報告書

今年はたくさんアップしようと思っていたのですが、やっと2つ目・・・
申し訳ありませんm(_ _)m

さて、気を取り直して今回のお題ですが、なにやら小難しい(汗)。

我が国では、企業会計審議会が公表する監査基準と日本公認会計士協会が公表する指針(監査基準委員会報告書)が一体となって一般に公正妥当と認められる監査の基準が形成されている、のはご存知のことと思います(とは言うものの、知らーんって聞こえそうです・・・orz)。

この公認会計士協会が公表している監査基準委員会報告書のうち、完成しているが未だ正式版が発行及び適用されていないものがあることをご存知でしょうか?
これが、「新起草方針に基づく改正版の監査基準委員会報告書」と言うものです。

現在公表されているが未発効の監査基準委員会報告書は以下の通りです。

第37号 監査計画(中間報告)
第38号 企業及び企業環境の理解を通じた重要な虚偽表示のリスク識別と評価(中間報告)
第39号 評価したリスクに対応する監査人の手続(中間報告)
第40号 財務諸表監査における不正(中間報告)
第41号 グループ監査(中間報告)
第42号 監査の計画及び実施における重要性(中間報告)
第43号 監査の過程で識別した虚偽表示の評価(中間報告)
第44号 会計上の見積りの監査(中間報告)
第45号 監査調書(中間報告)
第46号 監査証拠(中間報告)
第47号 特定項目の監査証拠(中間報告)
第48号 監査サンプリング(中間報告)
第49号 内部監査の利用(中間報告)
第50号 専門家の業務の利用(中間報告)
第51号 財務諸表監査における総括的な目的(中間報告)
第52号 監査役等とのコミュニケーション(中間報告)
第53号 内部統制の不備に関するコミュニケーション(中間報告)
第54号 確認(中間報告)
第55号 分析的手続(中間報告)
第56号 経営者確認書(中間報告)
第57号 関連当事者(中間報告)

新起草方針とは、国際会計士連盟の国際監査・保証基準審議会が行う国際監査基準のクラリティ・プロジェクトと同様に、各監査基準委員会報告書について、
① 義務としての手続を明確化するために報告書の構成を監査上の「要求事項」とその解釈に当たる「適用指針」とに区別すること
② 個々の基準の目的を明確化すること等の方針に基づき、新基準を策定し又は既存の基準を全面的に書き換える
と言うものなんだそうです。

会計基準もIFRSsへと流れているわけですが、実は監査基準も国際化の波に洗われているです!

新たな報告書はこのように、a.「報告書の範囲及び目的」、b.「要求事項」、c.「適用指針」と主として3つの区分に分けられているのですが、b.の「要求事項」は監査人が実施しなければならない事項=義務(つまり、実施しなければ法的な注意義務違反に発展する・・・かも知れない)、というものです。

この、新起草方針に基づく監査基準委員会報告書の「要求事項」はかなり監査人にとってやばい(かも知れない)ものなんです・・・

それは、「監査基準委員会報告書の新起草方針の概要」(平成22年8月31日付のもの)でこっそり?記載されている「中間報告の位置付け」の書き方によって判ります。

『未だ発行されず適用されていない新起草方針に基づく改正版を「(中間報告)」として公表する趣旨は、将来に改正版が監査実務へ適用する際に混乱を招くことのないよう、会員各位(公認会計士のこと、筆者注)をはじめ広範な利害関係者の皆様方へあらかじめ周知しておくことにあります』

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http://www.next-century.co.jp/

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Author:nextcentury
大阪市中央区にある公認会計士が手がけるコンサルティング会社。
主に内部統制コンサルティングや財務デューデリジェンスの支援業務を行っています。

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