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内部統制報告制度(J-SOX)の行方(1)

日曜日は雨の中、参議院選挙の投票に行って参りました。
20時以降、テレビにかじりついて結果がどうなるか観ておりましたが、民主党は改選前の50議席を割り込み、自民党は小泉政権以来改選第1党になるようです(9年ぶり・・・)。

今後の日本は一体どうなるのかと思いつつ、財務報告に係る内部統制報告制度(J-SOX)の行方も気に掛かっています。

平成22年6月10日に開催された、企業会計審議会第18回内部統制部会の議事録が公表されました。
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kigyou/gijiroku/naibu/20100610.html
なぜJ-SOXを見直す議論がなされているかについてよく理解していなかったのですが、下記やり取りでなんとなく判った気がいたしました。

○久保田委員
最初に確認したいんですけれども、今回のこの見直しの視点というか、なぜ見直しするかという議論の中で、
内部統制については導入してから数年がたったから見直すということだけなのか、
あるいは今現政権が進めている成長戦略の一環として、いかに日本経済をもっと成長させていくかという
観点から今、全省庁見直しをしていますよね。そういう流れも入っているのかどうか、
そこを確認したいんですけれども。

○三井企業開示課長
両方ともあると思います。第1の視点、内部統制報告制度が導入されて、一定期間、実施状況を見ながら
見直すところは見直すと、こういうことを導入当初からお約束していたものでありましたから、
当然のことながら、それは見直す必要があると思っております。
2つ目の視点、政府全体として新成長戦略をつくる過程で日本経済全体が成長していくと、
こういう視点を日本政府全体として共有しておりますし、当然のことながら金融資本市場も、
1つのマネーという意味では成長のドライビングフォースといいますか、血液でございますので、
そういう視点を持って取組む必要があると私どもは思っております。

従いまして、内部統制報告制度も、日本経済全体が回っていくということの視点は当然必要だと思います。
また、金融商品取引法も、投資者保護と並んで国民経済の健全な発展というのが法の目的に入っておりますので、
金商法の目的にも何らそれは齟齬するものではないと思っております。
従いまして、ご指摘のことでありますと、両者とももちろん視点に入れてご議論いただきたい、
こういうふうに思っているわけでございます。



今回の部会の主要な論点は下記の3つです。
① 内部統制監査の「レビュー」化の是非
② 「重要な欠陥」の用語の見直し
③ その他(持分法適用会社、事業規模が小規模な会社等)



①については、IFRS導入等も見据えて、企業側の負担が減るように監査よりもレベルの低い保証である
レビューに変えたらどうなんだ?という議論だと思われます。
しかし、そもそも米国基準よりも大幅に簡素化していること、さらに欧州で実施されているレビューの対象が
財務報告に係る内部統制よりも広い概念の内部統制であったりということ等により、
レビューにしたとしても、かえってコスト高になる可能性があるということでした。


②については、COSOの「material weakness」を八田部会長が「重要な欠陥」と訳してしまったことが、
もともとの発端だと思うのですが・・・
今更見直すと言われても・・・と思うのは私だけでしょうか?
確かに、欠陥は普通「defect」なんですよね・・・

○三井企業開示課長
辞書のコピーをお配りしてございます。この趣旨だけ説明させていただきます。
1つ目は、この「重要な欠陥」はアメリカの「material weakness」という言葉の訳語と思っていますので、
アメリカ系の辞書から2つとっています。1つがアメリカン・ヘリテージというアメリカで比較的使われている
辞書で、「weak」という言葉、5番目で「Lacking the ability to function normally or fully」とあり、
こっちに多分近い意味合いかなと思います。

2枚めくっていただきまして、これはコービルドというアメリカ英語の用語例をたくさん
入れているものでございまして、1つ興味深いのは、1番とか2番というのはいわゆる普通の「weak」という、
「弱い」んですということなんですけれども、8番とか9番とか10番というところに
少し興味深い記述がありまして、きちんとガバナンスができていない、コントロールできていないとか、
あるいは「industry」とか「government」とか、こういうのがうまく機能していないだけでなく弱々しいという、
「firm」というんですか、「fail or collapse」する可能性があるみたいなちょっと脆弱なというふうなニュアンスがあります。

それからもう1つ、これは別の話なのですが、「欠陥」という言葉を日本語で出すと、
多くの方は「defect」という英語に訳されてしまいます。
金融庁のホームページで、この「重要な欠陥」を「material weakness」と翻訳しているんですが、
恐らくそれをご覧いただいて訳していただけている方はほとんどいないと思いまして、
「defect」というふうに言うと通常アメリカの訴訟などでは、
欠陥があったので賠償金を払えということになります。

「weak」というのは、この裁判で勝ちそうか負けそうかというときに、自分は正しいと思っているけれども、
負けそうだというときに使うというのがこの10番のところです。もしかしたら裁判で負けるかもしれないと、
こういうふうな意味合いでして、ここから先は勘ぐり過ぎかもしれませんけれども、
アメリカでは、そういったことも加味して「defect」ではなく「weak」という言葉を巧妙に
使われたのかもしれません。

ちなみに「不備」は「deficiency」でございまして、税金の支払いが足りないとか、
そういうときにも使われる言葉でして、日本語に訳すとどれもこれもやや欠陥っぽい訳語が
当たっていますけれども、これは追加料金を払えばいいというふうな意味合いの「deficiency」でございます。
従って、かなりアメリカでもそこのところは巧妙に考えられた可能性はあります。

保証水準を変えないとしても、この欠陥とか不備とか、あるいは弱点とか弱みとかによってもしかすると
心理的な影響はあるかもしれないというふうに、今のような用語例から見ると考えられるかもしれないと思います。


③については、時間切れと言う感じで、突っ込んだ議論に発展しなかったようです。

J-SOX制度が更に簡素化される、あるいは無くなってしまうのかと思って興味深く読ませていただいたのですが、
正直こちらもどうなるのか判らないのでした・・・
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nextcentury

Author:nextcentury
大阪市中央区にある公認会計士が手がけるコンサルティング会社。
主に内部統制コンサルティングや財務デューデリジェンスの支援業務を行っています。

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