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内部統制報告制度(J-SOX)の行方(3)

10月28日に開催された企業会計審議会第19回内部統制部会の議事録がやっと公表されました。
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kigyou/gijiroku/naibu/20101028.html

と思ったのも束の間、11月25日に実施された企業会計審議会第20回内部統制部会で使用された式次第及び資料がリリースされました。
http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kigyou/siryou/naibu/20101125.html

何の気なしに見ていると、
「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」の改訂案の新旧対照表が有るではありませんか!!

主な改訂は下記のとおりです。
① 『重要な欠陥』⇒『開示すべき重要な不備』

② 内部統制監査報告書の記載事項(追記情報も含む)

③ 金額的重要性の判断
 現行は例示で『連結税引前利益の概ね5%程度』のみの記載ですが、改訂案は、『例年と比較して連結税引前利益の金額が著しく小さくなった場合、必要に応じて監査人と協議の上、(連結税引前利益の)例えば5%ではなく、必要に応じて比率の修正や指標の変更を行うことや連結税引前利益において特殊要因等を除外することがありうることに留意する』という文章が追加されています。

④ 持分法適用となる関連会社の取り扱い
 『(注)当該関連会社への役員の派遣や兼任の状況などにより、子会社と同等の評価が行えないなど、特段の事情がある場合には、当該関連会社から入手する財務情報等に係る管理プロセスの確認等の適切な方法を利用することができることに留意する』が付加されています。

⑤ 全社的内部統制の評価範囲
 『(注1)「財務報告に対する影響の重要性が僅少である事業拠点」の判断については、例えば売上高で全体の95%に入らないような連結子会社は僅少なものとして、評価の対象からはずすといった取扱いが考えられるが、その判断は、経営者において、必要に応じて監査人と協議して行われるべきものであり、特定の比率を機械的に適用すべきものではないことに留意する。』と、5%を超過しても対象範囲外にできる旨の記載が追加されています。

⑥ 業務プロセスに係る内部統制の評価範囲
 従来どおり連結ベースの売上高等の概ね2/3程度とされていますが、『この一定割合については、当該事業拠点が前年度に重要な事業拠点として評価範囲に入っており、(イ)前年度の当該拠点に係る内部統制の評価が良好であること、(ロ)当該拠点の内部統制の整備状況に大きな変化がないこと、(ハ)重要な拠点の中でも、グループ内での中核会社でないなど特に重要な事業拠点でないことを確認できた場合には、当該事業拠点を本年度の評価対象としないことができると考えられる。その場合、結果として、売上高当の概ね2/3を相当程度下回ることがあり得る。』と評価範囲の緩和を認めています。
 また、M&A等により評価作業を実施することが困難な事情がある事業拠点で評価対象から除外できることについては、現行は『期末日直前』のM&A等となっていましたが、改訂案では、『下期』とこれまた大幅に緩和しているのみならず、『(注)なお、「下期」はあくまで例示であり、該当する事象が発生したが内部統制報告書作成日までにやむを得ず評価を完了することができない場合でその合理性が認められるときは、「下期」に限られないことに留意する。』との記載もあります。
 更に、『例えば売上高を「企業の事業目的に大きく関わる勘定科目」としている場合において、売上に至るプロセスの金額を合算しても連結売上高の概ね5%程度以下となる業務プロセスを、重要な事業又は業務との関連性が低く、財務報告に対する影響の重要性も僅少なものとして評価の対象からはずすといった取り扱いはありうるものと考えられる。なお、この「概ね5%程度」については機械的に適用すべきでないことに留意する。』と、これまた明確にしています。

⑦ 全社的内部統制の評価のローテーション制
 『全社的な内部統制の評価項目のうち、前年度の評価結果が有効であり、かつ財務報告の信頼性に与える影響の重要性を勘案し、当該評価項目に係る内部統制の整備状況に重要な変化が無い場合には、その旨を記録することで、前年度の運用状況の評価結果を継続して利用することができる。』と記載し例えば隔年ごとの評価を認めています。

⑧ 業務プロセスに係る内部統制評価のローテーション制
 全社統制同様、『統制上の要点として識別された内部統制の整備状況の評価は、原則として、毎期実施する必要がある。ただし、全社的内部統制の評価結果が有効である場合には、評価範囲に含まれる業務プロセスに係る内部統制の評価について、財務報告の信頼性に与える影響の重要性を勘案し、内部統制の運用状況に重要な変化がない場合には、その旨を記録することで、前年度の内部統制の運用状況の評価結果を継続して利用することができる場合がある。これにより、業務プロセスに係る内部統制の運用状況の評価について、一定の複数会計期間内に一度の頻度で実施されることがあることに留意する』としています。

⑨ 中小上場会社への配慮
 『事業規模が小規模で、比較的簡素な構造を有している組織等の運用状況の評価においては、特に、それぞれの組織の状況等に応じ、評価方法を工夫して効率的に実施することができる。例えば、適切な全社的な内部統制が整備及び運用されていることを前提に、一律に、通期において業務プロセスに係る内部統制については運用状況の評価が求められるものではないこと、また、組織内における各階層(例えば、部長レベル、担当者レベル等)において必ず評価が求められるものではないことに留意する。』とあり、ある程度セルフチェックも容認することを明確にしています。

⑩ ITに係る業務処理統制評価のローテーション制
 『ITに係る業務処理統制のうち、ITを利用して自動化された内部統制については、上記に従い、過年度の評価結果を継続して利用できる場合、一定の複数会計期間に一度で運用状況のテストを実施する方法も含まれる。』

⑪ 経営者による財務報告に係る内部統制の評価の理解・尊重
 これについては新設規定なのですが、不思議な感じがします。
 『監査人は、経営者による会社の状況等を考慮した内部統制の評価の方法等を適切に理解・尊重した上で、内部統制監査の基準・実施基準等の内容や趣旨を勘案して内部統制監査を実施する必要があり、各監査人の定めている監査の手続や手法と異なることをもって、経営者に対し、画一的にその手法等を強制することのないよう留意する。』というのはまだ解るのですが、
 『ただし、事業規模が小規模で比較的簡素な構造を有している組織等の内部統制監査の実施に当たっては、監査人は、当該会社の内部統制の構築や評価において経営資源配分上の制約が大きい場合があることを踏まえ、経営者からの相談に対しては、内部統制の有効性を保ちつつ、特に効果的かつ内部統制の構築や評価を行う観点から、適切な指導を行う必要があることに留意する。』という記載の『指導』って、コンサルティングだと思うのですが。。。

どの様な議論がなされたのか、議事録が楽しみです。


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大阪市中央区にある公認会計士が手がけるコンサルティング会社。
主に内部統制コンサルティングや財務デューデリジェンスの支援業務を行っています。

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