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なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学

少し古いですが、2009年3月に出版された本書は非常に解りやすいのでお勧めです。
対話形式となっているので、難しい議論が非常に解り易く解説されていると思います。


内容は次の通りです。

【第1講】
サブプライムローン問題から全般的な信用危機へと金融危機(2008年9月におこったリーマン・ショック)が深刻化し、拡大していったプロセスの説明。

サブプライムローン問題は、①住宅バブルが発生して崩壊したという点と、②そのバブルの生成と崩壊がどのような金融システムの下で生じたのか?という2点とのことですが、②が日本とは全く違う状況だったことがよく解ります。

【第2講】
1970年代末から2007年までの30年間のアメリカを中心としたマクロ経済の動きを10年ずつの3つのフェーズに分けて振り返る。

【第3講】
この30年余りの間の金融ビジネス、金融技術の展開に関して振り返るとともに、リスクを取引するということの意義についての解説。

【第4講】
理論的な金融危機の発現メカニズムの考察。

エージェンシー問題と「美人投票」の問題が易しく解説されています。
そして、今回のアメリカでは、本質的に銀行取り付けと同様の現象が起こるという「コーディネーションの失敗」と呼ばれる事態の一例であると説明されています。

【第5講】
金融危機と経済政策の関連をテーマとして、「政府の失敗」が金融危機につながった面があることの指摘と、経済思潮の変遷についての説明。

大学の経済学の講義や、会計士試験レベルでの経済学しか学習したことのない人にとっては、ケインズ経済学が過去のものとなっているということにつき、実感を持つことができると思います。

【第6講】
中長期的な観点から、危機後の金融と経済の行く末についての考察。

投資銀行および金融工学の役割いついての再考と、本書のタイトルに対する直接的な答えが説明されています。

【第7講】
日本の1990年代の経験を次の点で改めて振り返る。

90年代の経済の長期低迷を通常の景気循環上の不況として理解するべきか?あるいは、潜在成長率そのものの低下と考えるべきか?についての解説と、バブルの発生を防止することができたのか?あるいは、バブル発生は不可避であったとしても、その崩壊直後にもっと適切に対応することが可能であったのか?という解説が面白いです。

本書と読むと、現在検討されている民主党政権の政策の是非についても、かなり参考になると思います。

なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学
(2009/02/19)
池尾 和人池田 信夫

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Author:nextcentury
大阪市中央区にある公認会計士が手がけるコンサルティング会社。
主に内部統制コンサルティングや財務デューデリジェンスの支援業務を行っています。

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